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ふねしゅーの日本探訪/其の拾陸 子連れドライブ信越旅行 妙高高原・上越



上杉謙信の居城、春日山。豪雪地帯、高田の雁木の街並み


妙高高原いもり池 妙高山の眺めと水芭蕉

 小布施を後にした私たちは、途中夕暮れの野尻湖を経由しつつ、一般道で宿泊先の妙高高原を目指す。

 妙高は日本でも有数のスキーエリアで、杉の沢や池の平などたくさんのスキー場&温泉が集まっている。その中で私たちが泊まったのは関温泉という小さなところ。その手前で通過した赤湯温泉はホテルや飲食店が並んで賑々していたが、冬季閉鎖が開通したばかりのつづら折りの道を抜けた先は、10軒ほどの宿が集まるだけのこぢんまりした雰囲気だった。

 さて翌日。天気が少し心配されたが晴れ。午前中は妙高高原でのんびりしようという計画で、池の平にあるいもり池を訪れた。池の周りが湿原となり、水芭蕉が咲き、遊歩道で一周できるようになっていて、妙高山の眺めもばっちりという、なかなか良いところだった。

信越
【妙高高原/いもり池】

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【妙高高原/いもり池】

 ちなみに水芭蕉の象徴ともいえる外側の大きな白い花びらのようなやつ、実は花びらではないと初めて知った。本物の花びらを守るためにあり、あんな独特の形状をしているらしい。

 大人なら10分程度で一周できる遊歩道。あちこち自在に歩き回る長男に合わせていたら、1時間くらいかかってしまった。

 いったん宿に戻り露天風呂へ。内湯は男女別だが、外湯は混浴(交替制)となっており、昨晩は「女子入浴中」の札に撤退したのだ。子供を入れることを考えると夜はちょっと寒いし、昼なら空いているだろうと考えたのだ。家族4人揃っての温泉というのは、なかなか貴重な機会になった。

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【妙高高原/いもり池】

上杉謙信の居城春日山 天地人で大いに混雑

 大河ドラマ「天地人」で盛り上がっている新潟県。上杉謙信の本拠地として知られる上越も言わずもがなである。妙高の宿の前にも「天地人」の幟が立っていた。

 午後、うちは大河ドラマを見ていないが、謙信の居城春日山城を訪れた。春日山の手前から車が大渋滞、しかも直接城址には入れず交通止めとされており、大河効果をうかがわせた。山のふもとに文化センターがあり、その隣は本来は空き地だろうか、臨時駐車場として確保されており、そこから城址まで臨時のシャトルバスが往復していた。

 満員のシャトルバスに揺られて坂道を上り、到着したのは謙信公の銅像前。茶店があり、そこで昼食をとることにしたのだが、おそらく普段は数えるほどしか来客がなく、いたって暇な商売なのだろう。ゴールデンウィークと大河ドラマが重なって押し寄せた大量の客をさばききれず、ご飯物が品切れで麺類しかなかったり、注文したものが来ないと客から苦情の声が飛び交ったり、まったくもって回っていなかった。

 ともあれ腹ごしらえを済ませ、いよいよ春日山城。私の意識では、伊達政宗の居城である仙台・青葉城址と同じ感覚であった。青葉城址も、ふもとからつづら折りの坂を上っていった先に、政宗像があったり、仙台市街を望める展望台があったりする。何が言いたいかというと、謙信像が立っている場所から、あとはそんなに歩いて登ることはないと思い込んでいたのである。

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【春日山/登山道】

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【春日山/上杉謙信像】

 それが大きな間違いであることに気づいたのは、すぐ隣の神社を抜けて、長女の乗った乳母車を押したまま歩いていき、長~い階段を目の当たりにしたときである。登山道の序盤にありがちな、丸太で土砂止めをして作られた階段である。その脇には、先人が打ち捨てていった乳母車が一台、むなしく佇んでいた。

 ここで引き返す選択肢もあったが、せっかくなので、またそんなに長くはないだろうという思い込みで、上っていく。すぐに「だっこ」と言い出す長男を、ときに怒り、ときになだめ、ときに担ぎ、ときにどうにか歩かせながら、先へ進む。周りで上っている人たちからも、「こんな大変とは思わなかった」という台詞が頻繁に聞こえてくる。

 そして山頂。日本海、直江津、高田市街の眺め。上越平野の真ん中を流れる関川という川の向こう側に田園風景が広がり、さらに遠くに頸城丘陵という山並みが見えるのだが、山頂の立て札にこんなふうに書かれていた。

「関川の手前の市街を手で隠しながら見ていただくと、謙信公の時代から変わらぬ田園風景がご覧になれます」

 ふ~ん。

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【春日山/本丸からの眺め】

城下町、高田 日本一の雁木造りの街並み

 上越市はもともと直江津と高田の対等合併で生まれた市で(今はさらに合併し巨大化)、直江津は北陸本線と信越本線が交差する交通の要衝、高田は江戸時代の行政中心で城があった。

 上杉謙信が居を構えた春日山地区は両者の中間、私たちは夕方、高田市街に移動することにした。

 駅隣の駐車場に車を停めて歩くが、典型的な寂れる地方都市といった雰囲気で、連休中という理由もあるのかもしれないが、シャッターの閉じた店が多く、駅前にも味気ないシティホテルがのっそり建っているくらいで、およそ天地人の恩恵は波及していないようだった。

 そんな高田の目的地は、雁木造りと呼ばれる街並み。豪雪地帯の雪対策として、家の前にアーケードのように軒がせり出し、独特の景観を醸し出していた。北陸の他都市でも見られる建築様式だが、圧倒的に残っているのが高田らしい。たしかに交通量のほとんどない道の両側、延々と遥か先まで、雁木造りの軒先が続いていた。

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【高田/雁木の街並み】

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【高田/雁木の街並み】

 踏切を越えて駅裏は寺町。これまた高田は日本一らしく、63ものお寺が一地区に密集しているとか。江戸時代、松平家の所領として栄え、寺が集められた名残らしい。

 昨日訪れた小布施と比較すると、歴史的なものが現存している度合いでいえば、高田は明らかに上回っているように思えた。しかし、観光の集客力という点では、小布施のほうが圧倒的に勝っている。町としての規模が小さい分、「栗」や「北斎」といった特徴を活かしやすかったのかもしれないが、単に何らかの観光要素があるだけではなく、むしろその見せ方が肝腎ということだ。

 観光客などまったくいない道を歩きながら、そんなことをつらつらと思った。

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【高田/寺町】

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【高田/寺町】

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