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チャリダー養成講座/第十三回 どうする?行動食



一日三度の食事だけじゃ足りない。必要なエネルギーを補給するには?

 チャリダーにとっての課題は、朝食や夕食もさることながら、自転車で走っている最中のエネルギー補給です。お昼時にうまく手頃な食堂が見つかるとは限りませんし、またカロリーの消費量が半端ではありませんから、すぐにおなかが減り、三度の食事以外にも何かを口にして補給をしなければ身体がもちません。

 そんな休憩ごとのこまめな食糧補給を、行動食と呼んでいます。

*   *   *

●ハンガーノック

 はじめに一番嫌な話からしましょう。体内の貯蓄エネルギーが空っぽになってしまう状態、ガス欠状態に陥ってしまうことをハンガーノックといいます。たとえば朝何も食べずに自転車を漕ぎ始め、休憩や補給をせずに頑張り続けていると、突然ガス欠になってまったく動けなくなってしまいます。それがハンガーノックです。

 幸いなことに私はその経験をしたことがありません。気を付けていれば充分に防ぐことができます。お腹が減ったら食べる。小腹が空いたくらいで食べる。とにかく補給を欠かさないことが大切です。

こまめに補給、これがチャリダーの基本
【こまめに補給、これがチャリダーの基本】

●行動食の種類

 行動食を何にするか。それはまったく自由です。

 登山用や、自転車レース用に、ゼリー状の携帯食や、カロリーメイトなどが一般的に出回っています。国内を走るのならそんなものも便利かもしれません。

 海外を走る場合は、その国で手に入りやすいもの、パンやビスケットやチョコレートなら大抵どの国でも田舎町でも売っています。炭水化物は必須、糖分も身体が欲するようになります。パンの種類は国によって様々で、固くて味気ないものしか売っていないような場合もあります。ジャムやハチミツなどを塗ればエネルギー源にもなってよいでしょう。

 ダイエットしている方には信じられないかもしれませんが、チャイ(紅茶)についてくる角砂糖を2、3個余分に丸齧りして、糖分補給をしたこともありました。

 携行するにはかさばりますが、栄養面を考えるのであれば、やはり果物は欠かせません。ビタミン不足にならないよう、土地によって、季節によって、なるべく果物を選びましょう。

●休憩の頻度

 どのくらいの頻度で休憩をとるか。これもまた自由ですが、私の方針としては概ね二十キロごとに一度、もしくは一時間に一度です。荷物を積んだ自転車で平坦な道を無風状態で走る場合、だいたい平均時速二十キロが目安になります。二時間くらいぶっ通しで走ることも充分可能ではありますが、よほどの事情で急ぎでない場合以外は、こまめに休憩をとったほうがよいでしょう。

 水はほぼ毎回の休憩ごとに補給していましたが、行動食は特にとらない休憩もあります。お腹の減り具合と相談し、日陰で身体をしばし休め、また走り出せばよいでしょう。

 地図と照らし合わせて、途中に町や村があれば、だいたいこの辺で休憩になるだろうと、その日一日の予定がたちます。町が続くようであれば行動食の心配はあまりありませんし、数十キロ町が途絶えるようであれば、予備を含めて行動食は多めに準備しておいたほうが安心です。

どうせ休憩するなら景色のいいところでとりたい
【どうせ休憩するなら景色のいいところでとりたい】

●無補給距離

 無補給距離というのは私が勝手に名付けた概念ですが、その言葉の通り、道沿いに村落がなく、一切の補給が見込めない距離のことです。たとえばある町から次の町まで二十キロ離れていて、地図を見てその間に集落などありそうにない場合、無補給距離は二十キロだと推定されます。結果的に峠の茶屋のような売店がぽつんと営業しているようなこともありますが、それはただの幸運として考え、事前にはあくまで二十キロ無補給であると考えるべきです。

 問題は無補給距離が二十キロを軽く越える場合です。このときは、町と町の間の何もないような場所で休憩をとる必要があります。一回の休憩で手持ちの食糧を食べ尽くすわけにはいきませんから、距離に比例して、携行すべき食糧の量は増えていきます。

 冒頭に三度の食事云々と書きましたが、休憩の度ごとに何か口にしていると、昼食をとる機を失い、行動食だけで走り続けてしまうような場合もあります。旅をしていると、食事は大きな楽しみの一つでもありますから、途中に食堂などあった場合は、少し長めの大きな休憩をとって、しっかり昼食をとりましょう。

国によっては、無補給距離が五十キロを越えることもザラ
【国によっては、無補給距離が五十キロを越えることもザラ】

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 次回は行動食よりも、さらにもっと大事な、とりわけ海外を走るような場合には、チャリダー旅行が成功するかどうかの要ともいえるものについて書きます。

 水、です。

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