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灼熱のドバイ中心部、ラマダンのため飲み食いもままならずダウン寸前。
ラマダンの真髄は空腹ではなく渇きにあることを知った。


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8月10日
ラマダンの真髄は渇きにあり


 ドバイ到着初日。

 エティハド航空を利用したため首都のアブダビに着き、そこから無料のシャトルバスでドバイへ。中心部バール・ドバイ地区の1つ星ホテルに昼前にチェックイン。近くのスーパーで食料を調達し、部屋の中で飲食。

 ここまでは、まあ予定どおりでした。一息ついたところで街をひと歩き、両替もしたいし、観光しようと考えたのが1つの失敗でした。

 天気予報によると気温46度。人間の体温は言うに及ばず、お風呂の温度よりも高い! しかも海に面したドバイは湿度も高く、蒸し蒸ししていました。そのくせ雨は降らず、雲はない。太陽は高く、ろくに日陰もない。

 直射日光を浴びての体感温度は50度、いや60度を越えていたかもしれません。ほとんどサウナの中を歩いているようなものです。(それでも歩いている人はけっこういました)

「ホテルに戻りたい」

 歩きだして1分も経たないうちに4歳長男が泣きを入れました。ベビーカーに乗せられた2歳長女は置かれた状況が飲み込めないのか、今まで見せたこともないような遠い目をしています。

 やばい。来てはいけないところに来てしまったのか…。

ドバイ中心部バール・ドバイの街並み
【ドバイ中心部バール・ドバイの街並み】
オールドスーク入口
【オールドスーク入口】

 両替所を見つけて休憩。スーパーを見つけて休憩。また両替所を見つけて(適当にレートを確認しているふりをして)休憩。エアコンの効いた天国のような屋内と、立っているだけで焼き殺されそうになる地獄の屋外を、交互に行き来しながら移動することになりました。

 観光名所でもあるオールドスークは屋根が付いていましたが、たとえ日陰でも高湿度のせいで、まったく過ごしやすくないドバイ。「カシミヤヤスイヨ!」とか「ニイハオ!」と話しかけてくる店員の声が、いつもの10倍くらい暑苦しく感じられます。

 そしてなにより誤算だったのが、飲食店が完全にシャッターを下ろしていることでした。カフェもレストランもキオスクのようなスタンドも、どこもかしこも閉まっていて、あたりで飲食をしている人は皆無。スーパーで水を買うことはできても、大っぴらに飲める雰囲気ではありません。(いちおう幼い子供は免除されることになっていて、地元の人が子供にジュースを飲ませている姿も見かけました…)

 外国人旅行者であふれる観光都市ドバイ。UAE国籍の人口比率は2割程度で、外国人が圧倒的多数のドバイ。露出の高い恰好で歩いている西洋人のお姉様も見かける街。そんな緩いイスラムのイメージから、開いている店も多いのではないか、もう少し簡単に飲食できるのではないかと思っていたのですが、甘い見込みでした。

 逃げ込んだのは博物館。理由はもちろん冷房が効いているから!

 節電? そんなのは日本だけの話です。ドバイの冷房の設定温度は20度。どこもかしこも室内はキンキンに冷えています。そのくらいの設定温度にしないと、天井や壁や窓から伝わってくる熱波に勝てないのでしょう。エアコンは人類の偉大なる発明品であると痛感しました。暑さでしおれていた子供たちも、しばしの復活。

ドバイ博物館の外観
【ドバイ博物館の外観】
博物館の中にて
【博物館の中にて】

クリーク沿い、船着き場の前
【クリーク沿い、船着き場の前】
対岸へ渡るダウ船
【対岸へ渡るダウ船】

 以前、シリアでラマダンの時期に旅行したとき、地元の家に泊めてもらって、やはりラマダンを体験したことがあります。しかし、日が短い季節であり、むしろ暖房が必要なくらい涼しかったので、多少の空腹を覚えた以外は、それほど苦痛を感じませんでした。

 でもラマダンの真髄は、空腹ではなく、渇きにあると、気づきました。

 夕暮れがこんなにも待ち遠しいものだとは。

「アッラー、アクバル!(神は偉大なり)」

 夜7時、日没を告げるアザーン(祈りの声)が街に響き渡るのを待って、スーパーで買った清涼飲料水1リットルのボトルを一気飲みしたことは、言うまでもありません。(でも夜になっても暑いんです!)

スパイススーク内の中庭
【スパイススーク内の中庭】
ドバイの旧市街、デイラ地区
【ドバイの旧市街、デイラ地区】

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