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「旅に行きたくなるカフェ」たびえもん

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おとといはプーケット最大の寺院へ、昨日は謎の海洋民族の島へ。
そして今日はどこへ行く。意外に広いプーケット島、その最南端を目指して。
青砂の浜辺で人生初の海体験も待っている。
さあ、歩け。いざ、進め。

独身時代の「自転車世界一周旅行」から、
3人の子供たちと一緒に海外を訪れた「旅育」の記録まで、
たくさんの写真とともに紹介しています。
「子連れ海外旅行」の楽しみ方は本にもなりました↓

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8月5日
島の最南端 プロンテップ岬を目指して


 昨日に続き、空は快晴。となれば今日も行くしかない。パトン・ビーチの外へ。

 滞在四日目ともなれば、庶民の足ソンテウに乗るのも慣れたもの。ビーチ間を結ぶソンテウはないので、やっぱりプーケット・タウンを経由することになる。珍しく女性の車掌であった。

 乗り換えて、島の南端ラワイ方面のソンテウは、乗客が少ないのだろう、小型であった。途中多少の乗降があって、最後は私たち三人だけ、正面に浜辺が見えて、右折するとラワイ・ビーチ、ここで降ろされる。

静かなラワイ・ビーチ
【静かなラワイ・ビーチ】
最南端の岬へ向かう道
【最南端の岬へ向かう道】

 同じビーチでも、パトン・ビーチとは一転して静かな雰囲気。大型のホテルや商業施設は一切なく、歩いている観光客すら少ない。ボートの客引きのおじさんたちも暇そうだ。このラワイ・ビーチ、岩場が多いため海水浴には向かず、沖合いに浮かぶ島々を訪ねる拠点のビーチとなっているようだ。救命衣を羽織った中国人らしき団体客が、列に並んで船に乗り込んでいた。

 私たちはプロンテップ岬を目指す。標識によると三キロくらい。歩いていれば着くだろうと思っていたが、道は海沿いをはずれ、意外にアップダウンが多く、先が見えずにけっこう遠い。シレイ島を訪れた昨日に続いて、歩きどおしの一日になることが予想された。

 途中のんびりとした集落が点在するが、建物の一つ一つが妙に瀟洒でリゾートっぽい。建築中のもの、あるいは「For Sale」の看板が目立っている。外国人向けか、タイの富裕層向けかは分からないが、この一帯、別荘地として売り出そうとしているのだろう。あるいは、四年前の地震で大きな被害を受け、つぶれたリゾートが多く、最近になってようやく復興を始めているのかもしれなかった。

プロンテップ岬からの眺望
【プロンテップ岬からの眺望】
歌い踊る団体客
【歌い踊る団体客】

 やがて集落がなくなり、緑豊かな丘陵の道、真夏の太陽に焦がされながら、私と妻で、ベビーカーを交替に押しながら歩いていくと、ようやく前方に岬が見えた。正確には、思った以上に広々と整備された岬の駐車場が見えた。大型の観光バスが何台か停車し、交通整理の警官がいて、土産物屋や食堂も並んでいる。

 プロンテップ岬の一帯はちょっとした園地になっており、団体客がスピーカーを鳴らし、おじさんたちが歌っていた。楽しそうに踊っているおばさんたちもいた。ちらほらと西洋人観光客の姿もある。当然みな車だろう。子連れなのに歩いてきたおばかは私たちくらいのものだ。

 やや離れたところに灯台が建ち、入場自由なのだが、土足現金であり、床が焼けるように熱い。景色を楽しむのもそこそこに、降りてきた。日の出や日没の時刻が記されていたが、その夕陽の時間帯にはもっと混雑するのだろう。最近は、日の出や日没を見たことがない小中学生が増えているというが、自然の美しさを知らずに育ってしまう子供は、本当にかわいそうだ。

 食堂で昼飯。妻が辛くない麺料理を注文し、私が辛いカレーを注文した。互いに分け合って食べるが、もちろん長男にカレーは与えない。ところが興味津々の彼、あまりに口にしてみたそうに手を伸ばすので、ちょっとならいいかと思って舐めさせたら、号泣した。私は妻にこっぴどく叱られた。

仏像を囲む大勢の象たち
【仏像を囲む大勢の象たち】
津波の標識
【津波の標識】

はぢめての海 日本男児突撃せよ

 プロンテップ岬の北側に、ナイハン・ビーチというビーチがあった。同じ方向に戻ってもつまらないので、そちらを目指す。距離はほぼ同じくらいのはずだ。

 いったん海辺まで下り、また上るという道。小さな浜に、これまでに島の各所で見かけた「TSUNAMI」の碑。スマトラ沖地震の際に、津波がどれだけの高さまで来たかを表しているのだ。また、丘の上まで来ると、そこが津波の避難所であることを示す標識もあった。付近に建つ真っ白な風車を横目に、くね曲がった坂道を下り、ナイハン・ビーチへ。

 ビーチに隣接して潟(ラグーン)があり、ホテルも隠れ家的なリゾートホテルが一軒だけという立地。喧騒としていたパトン・ビーチに比べると、全く異なる落ち着いた雰囲気である。海辺にいるのは欧米人ばかりで、日本などアジア系の旅行者は見当たらなかった。ただ、休憩を取ったレストランの従業員の兄ちゃんが日本語で話しかけてきたので、まったく欧米人だけというわけではないのだろう。

ナイハン・ビーチを見下ろす
【ナイハン・ビーチを見下ろす】
はぢめての海
【はぢめての海】

 ここで初めて、海に入る。プーケットに来ていながら、四日目にして水着(正確には短パンになっただけ)になるのは初めてだったが、ナイハン・ビーチは透明度が高く、非常に気持ちのいい海だった。しかもトップレスで泳いでいるお姉ちゃんがいて、おぢさんは妻に内緒で思わず チラ見を連発してしまった。

 しかし、西洋女性が上半身露出とくれば、東洋男児としてはその上をいく表現力で対抗せねばなるまい。九割九分の遊泳客が西洋人という圧倒的不利な状況で、我々はその願いを長男に託した。

 どーーーーん!

 真っ裸で人生初の海を堪能する長男。寄せては返す波に警戒の表情を見せるものの、泣き出すほどではなかった。ただ、水面が私の腰の高さ程度の場所までしか入らなかったのだが、波の力というのは強大で、私がバランスを崩し、倒れこんで波をかぶってしまうということがあった。長男は頭上に掲げていたので、たぶん飛沫がかかった程度だったと思うが、海を舐めてはいけないと反省した。これを機に、撤退することにした。

ナイハン・ビーチ
【ナイハン・ビーチ】
帰りのソンテウ
【帰りのソンテウ】

 地図を見ると、ナイハン・ビーチから海沿いに、いくつかのビーチを経由して北上すれば、パトン・ビーチに辿り着く。しかし乗り合いバスのソンテウはプーケット・タウンを拠点とする便しかないから、大幅に遠回りである。私たちは最初時間を優先し、トゥクトゥクがあれば拾おうと考えていた。

 しかしナイハン・ビーチに数軒並ぶ土産物屋の界隈にトゥクトゥクの姿はなく、一台だけ停まっていたタクシーに料金を尋ねると、「五百バーツ」とのお答え。思い切り吹っかけていることは間違いなく、交渉次第で半額くらいまでは値切れそうな気もしたが、面倒臭かった。

 かくしてまたお決まりのソンテウ利用。倍の時間をかけて、プーケット・タウン経由の帰り道となった。

ちまきを買って
【ちまきを買って】
地元の子と遭遇
【地元の子と遭遇】


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