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オーマイニュース新システムの是非を問う(前編)

市民記者2名が居酒屋対談で編集部にもの申す




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 多くの新機能を引っ提げて、オーマイニュースがシステムをリニューアルしてから、まもなく一ヵ月が経とうとしている。変わってよくなった点もあれば、不具合が多いこともあり、使いにくく感じられる部分もある。

 「市民みんなが記者だ」という壮大な理念を掲げて昨年8月に創刊された日本版オーマイニュース。今回のリニューアルは、果たして本当に市民記者にとって良い改変になったのだろうか。

 東京の勝手カフェ世話人を務め、AEDについての取材記事などを書いている小宮山と、海外自転車旅行記や子育て記事を連載している木舟、ともに30代前半の2人が、対談形式で分析をした。本記事は、実際に居酒屋で会って話した内容を、後日メールのやりとりで補足して、まとめたものである。

●不具合について

木舟(以下、舟):新システムの最大の問題点は、不具合が多いことですね。一ヶ月経っても、まだ解消されていない。

小宮山(以下、宮):先日の勝手カフェでも、記事にも書きましたがその話題が中心でした。記者によっては、全体のPV(閲覧数)が0のままであるという報告もありました。記事ごとの原稿料が分からないのも困る点です。

舟:PVは不具合でしょうが、原稿料については、本当に不具合なのか、それともリニューアル自体の問題なのか、よく分かりませんね。以前は、自分の記事をアクセス数ごとに並べかえることができたけど、今はできない。これも不具合なのでしょうか、それとも違うのでしょうか?

宮:不具合なのか、そうでないのか分からないといった疑問は、勝手カフェでも出ました。ただ不具合については、「不具合報告」という記者クラブがあるので便利です。市民記者なら誰でも参加でき、質問すればちゃんと回答もいただけますよ。

舟:回答って、編集部からですか?(一瞬期待して)

宮:いや、記者クラブを主宰している記者や登録している記者の方からです。

舟:なんだ(苦笑)。まあ、でも、不具合の話をしていくとキリがないので、それはとりあえず抜きにして、リニューアルそのものがどうなのか、市民記者にとって使いやすくなったのか、そのあたりを検証していきませんか。

●SNS機能について

宮:私はやっぱり、SNS機能で市民記者同士の横のつながりができたのは、良くなったことだと思います。今までは、直接会った人としかメールのやりとりができなかったけど、会えない人ともやりとりができるようになりましたから。

舟:私はまだSNSを使っていないのですが、実際メールって、どのくらいあります? 正直あまり頻繁に来ると‘面倒臭いなあ’という気持ちもあります。

宮:そんなにないですよ。私の場合、普段は友人記者登録をして、その最初の挨拶くらいですね。木舟さんはSNSやらないのですか?

舟:いや、面白いなあとは思います。いずれ始めようとも思っています。ただ足踏みをしている理由が二つあって、一つは不具合があまりに多くて、システムが安定するまで待とうかなってこと。もう一つは、やっぱり編集部員が積極的に公開してないこと。おかしくないですか?

どんな業種でも、例えばこういう店(居酒屋)で、「私は食べませんが、このメニューがお薦めです」って感じ。そんなのありえますか?

宮:たしかに(苦笑)。それに説明不足もありますよね。年配の記者の方だと、そもそもSNSでどうなるのかも分からない。必要もないのに使わざるを得ない感じみたいですね。

●記事のジャンルやランキングについて

舟:私が思う良くなった点は、記事のジャンル分けが複層的になったことですね。今までは一つの記事は一つのジャンルで縦割りだったけど、新しくなって、たとえば私の自転車旅行記だと、スタイル→トラベルからでもいけるし、海外からでもいける。色々な方面から記事を探せるようになったので、古い記事でも読まれやすくなったのではないでしょうか。

宮:なるほど。それはありますね。でも、新しくなったことでいえば、『活躍中!』は、よく分からないですね。記事を書いてもないのに、‘何で上位に名前が来るのだろう’って。

舟:分からないですね。たしか24時間ごとの集計って説明がありましたけど、自分の場合一週間くらい記事載らなくても、必ず20ポイントくらいあるんですよ。これもバグっているのかな?(苦笑)

宮:あと、『コメントランキング』あれ、見ていますか?

舟:わりと見ていますね。

宮:あっ、そうなのですか?(意外そうに)

舟:先日まで国民投票法案の記事が続いたとき、批判コメントが相次いだじゃないですか?わりといつも編集部に批判的な人たちっていますけど、あのときはそうでない人も批判コメントを書いていたのが、興味深かったですね。そのあたり、編集部がどのくらい真摯に受けとめているのだろうって思いますけど。

宮:あれは自分もどうかと思いました。最近は名前の知れた人の記事がトップに掲載されています。これでは‘市民記者のニュースサイトじゃないぞ’って感じています。

舟:推測ですけど、編集部はああいうランキングを出すことで、悪辣なコメントを減らせると思ったのではないですかね? 実際には逆効果で、編集部批判が相次いだので、サイト内の掲載位置が下がっちゃいましたけど。

宮:あと『検索ランキング』っていうのがありますが、あれは必要ですかね? いつも特定の名前の記者があったりして、必要と感じないのですが。

舟:いらないですね。なんか、あれシステムを詰め込みすぎというか、従来のアクセスランキングで良かったような・・・

 前編は以上です。

 引き続き、記事ごとのアクセス数が低下しているのではないかという問題、マイページの使い勝手が悪くなってしまったのではないかという問題、そして編集部の対応について、熱い議論が交わされました。後編では、その模様をお伝えいたします。

(2007年5月30日掲載)

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