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チャリダー養成講座/第十八回 事故に気をつけろ



病気よりも怖いのは事故。事故に遭わないためには、どうすればいい?

 チャリダーにとって最も気をつけるべきことは、交通事故だといわれています。もちろん病気になったり、あるいは犯罪に巻き込まれてしまう可能性もありますが、それ以上に確率的に高いのが、事故なのです。

 以下、主に私の経験を元に叙述します。

*   *   *

●猫

 猫とは、どういうことだ。そう思かもしれません。私は学生時代、猫をはねて怪我をしたことがあります。道の脇から走り出てきた猫とぶつかり、一回転してしまいました。

 次の瞬間、私は自分のこと以上に猫が心配になったのですが、起き上がるともう猫はいませんでした。一緒にいた友人に尋ねると、猫は何事もなかったかのように、その場から走りさっていったそうです。私は腕からの出血はもちろんのこと、はめていた腕時計を壊されるというおまけまでつきました。

●スリップ

 第九回「風雨に負けるな」のときに、雪道で転倒したという話を書きました。凍結路以外に、砂利道のような悪路を走る場合もまた、滑りやすくなりますから、転ばないように気をつけることが肝腎です。

 さらにはマンホールや、道路の白線なども、アスファルトに比べると滑りやすいといわれています。

トルコ/雨の日は視界が狭まり、路面も滑る
【トルコ/雨の日は視界が狭まり、路面も滑る】

●サイドバッグ

 サイドバッグを付けると、自転車は重くなるだけではありません。幅が太くなります。自転車本来の車幅は高がしれていますが、タイヤの両脇に付いたサイドバッグの分だけ、車体感覚を広めにとる必要があるのです。

 サイドバッグを縁石にぶつけて転ぶ。カーブを曲がる際に、サイドバッグの底を路面にこすって転ぶ。あるいは、これは私自身がやってしまったことですが、何人かで走っていて、隣に並んで話をしていたときに、サイドバッグ同士が接触して、事故になってしまうこともあります。

 いずれもつまらない事故ですので、くれぐれも気を付けましょう。

●幅寄せ

 車と直接接触したわけではありませんが、乱暴な運転の車を避けようとして、転倒してしまったことがあります。路肩の狭い道で、避けようにも避けづらく、ギリギリのところまで幅寄せされて、路肩から脇の薮に滑り落ちてしまったのです。

 これはアメリカのカリフォルニアでの出来事ですが、似たような経験は、その後も何度かありました。最も安全策をとるなら、本当は車が後ろから来るたびに、いったん止まって道の外側に退避すればいいのです。しかし、長距離走行のチャリダーがいちいちそんなことをしていられないのもたしかであり、狭い道を走るときは悩ましい限りです。

 一度、路肩を譲らずに走っていたら、トラックの助手席から水を投げかけられたこともありました。

マレーシア/路肩の狭い道、大型車には注意
【マレーシア/路肩の狭い道、大型車には注意】

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●最悪の事故

 御存知の方もいるかもしれませんが、一九九五年の春、オーストラリアで日本人のチャリダーが交通事故で亡くなっています。私がこの事件を非常によく覚えているのは、同じ時期に、私の大学の先輩Aさんと、そして後輩Bくんが、それぞれ別々に、やはりオーストラリアを走っていたからです(ちなみに私はマレーシアを走っていました)。

 後日Bくんから聞いた話では、オーストラリアでは日本人のサイクリストが事故に遭ったというニュースが広まっており、彼は、その日本人がAさんに違いないと思い込んで、恐さのあまり事実関係を日本に問い合わせることもできなかったそうです。

 日本でも、自転車が車にはねられる事故は、まったく珍しくはありません。日本より車の運転が荒く、交通規則も異なる海外においては、よりいっそう注意することが求められます。

●事故に遭わないために

 最後に、私なりに気を付けていた、事故に遭わないための秘訣を列記します。

①スピードを出さない

 基本です。特に下り坂。カーブの多い道は、スピードの出し過ぎに気を付けましょう。

②後方に気を配る

 後ろから車がやってこないか、常に気にしておくことはもちろんですが、路肩の狭い道で車が来た場合に、手を振って合図したり、後ろをさっと向いて睨みを効かすということは、案外有効です。

 逆の立場に立ちましょう。車を運転していて、前方に自転車が走っている場合、自転車の乗り主がこちらを気にしていると分かれば、追い抜くにせよ、自然と速度は緩まりませんか。

③休憩を充分とる

 これも当たり前のことですが、疲れていたり、お腹が減って、集中力が不足すれば、事故を起こす可能性も高くなってしまいます。

 一日一日、無理のない走行計画でいきましょう。

ギリシア/長い下り坂、ブレーキなど自転車の整備も重要なこと
【ギリシア/長い下り坂、ブレーキなど自転車の整備も重要なこと】

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 遭難するつもりで山に入る登山家はいないでしょう。しかし、常に遭難の危険を想定して、山に挑んでいるのだと思います。

 チャリダーも同じです。

 4万キロの距離を走り、大きな事故に遭わなかったのは、最終的には運がよかったからだと思っています。

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